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当方デサルフェータの対応バッテリについて。

ある種の鉛蓄電池概論

電気および化学に関して、知識が無い人が
「アイドリングスストップ用のデサルフェータが無い」
などと、誤った知識を無秩序に拡散する発言をしていますが

 当方の提供するデサルフェータに対応制限はありません。
 鉛蓄電池であれば全てに対応します。
 単板電極からウルトラファインメッシュ電極まで、容量も問いません。

なお、当該の問題発言をしている人を知識が無いというのは
工学、製造、構造、原理といった高等にあたる知識が無いのが問題であって
義務教育で習う「理科」のレベルがあるかどうかは関係ありません。


.そもそも論ですが、鉛蓄電池の基本は酸化還元反応の1つです。

 中学校まで酸化は「物質が酸素と結びつく化学変化」と習うのですが
 酸化とは本来、電子を失うこと≒陽イオンとなることですので
 放電時は陽極、充電時は陰極でそれぞれ起こるものです。
 ※還元反応は鉛蓄電池はで逆側で起きます

この反応は鉛を平板で作ろうが網目で作って表面積を稼ごうが
活物質(陽極:二酸化鉛、陰極:海綿状鉛)を使おうが
この化学反応の原則から逃れることはできません。

大原則を踏まえた上で自動車用の鉛蓄電池の色々(おおまかに)
・アンチモン(Sb)バッテリ/低アンチモンバッテリ
  陽極:鉛とアンチモンの合金(Pb-Sb)
  陰極:鉛とアンチモンの合金(Pb-Sb)
  特徴:自己放電多め、充電時の発熱多め(のため、液減りしやすい)、安価
     2019年現在、あまり見かけないが二輪用(コンベンショナル)や
     フォークリフト用とかディープサイクル用には現役。

・ハイブリッドバッテリ(ハイブリッド車用のバッテリとは別)
  ↑と↓の中間
  陽極:鉛とアンチモンの合金(Pb-Sb)
  陰極:鉛とカルシウムの合金(Pb-Ca)
  特徴:アンチモンの安価さに近く、カルシウムくらいの性能。
     タクシー用とかトラック用とかで見かける。

・カルシウム(Ca)バッテリ
  陽極:鉛とカルシウムの合金(Pb-Ca)
  陰極:鉛とカルシウムの合金(Pb-Ca)
  特徴:自己放電特性、液減り特性がアンチモンに比べ大幅改善。今時は皆コレ。
     大電流出力が容易(大CCA特性)だけど熱(腐食)と振動(崩壊)に弱い
     所謂メンテナンスフリー(MF)。液補充できるのもカルシウムのはMF。

 →充電制御車用バッテリ
  カルシウムバッテリの発展。満充電時や発進時に充電しないとか逆に
  エンジン負荷の低い時(減速、停車)や放電時のみ充電して燃費改善する仕様に対応。

  電極の網目を細かくすることで表面積を増やすなどして
  「充電受け入れ性」を向上させたもの。向上率はメーカにより様々。
  充電受け入れ性は従来品より1.2~1.3倍。
  併せて常時満充電でない為に耐久性も向上。(従来品より1.2~1.7倍)

 →アイドリングストップ車用バッテリ
  充電制御車では停車時のアイドリングで充電できるのに対し
  エンジン停止することで燃費改善する以上、充電が走行時に限られる仕様に対応。
  充電制御車用バッテリを発展させ、更に充電受け入れ性を高め、耐久性も向上。
  (従来品と比べ、充電受け入れ性は1.3~1.5倍、耐久性は2.5~3.0倍)

  充電受け入れ性を向上させるには基本的に電極の表面積を大きくすれば良いが
  電極を大きくする=バッテリ寸法で制約がある ので同じ寸法のまま改善するには
  「電極の網目を細かく」「電極を薄くして枚数増加」「活物質の添加剤を最適化」
  などの努力でなんとかします。(その他メーカの非公開技術も多々)

  耐久性の向上には充放電の繰り返しに耐えるため劣化・変形を抑える必要があるが
   電極の網目を細かくするため細い電極を使う=劣化しやすい
   電極を薄くして同じ幅に入る枚数を増やす=変形しやすい
  と、受け入れ性の改善で耐久性低下のジレンマを克服しての改善が必要。

  陽極側の耐久性向上のため
   特別な合金の採用、構造上脆弱な箇所の形状改善
   活物質の高密度化で軟化や脱落の抑制
  陰極側の耐久性向上のため
   カーボンの添加を増量してサルフェーションを抑制

充電制御車用、アイドリングストップ用バッテリの特徴は上記の通り
 充電受け入れ性が高く、耐久性が高いカルシウムバッテリ
であると言えます。そのため、高価になっても仕方ない物だと理解できます。

色々な改善が行われている充電制御車用やアイドリングストップ用バッテリですが
サルフェーションによる劣化に関しては
 放電反応で陰極の海綿状鉛がPbSO4に変化→充電で海綿状鉛に戻る
      →充電されないとPbSO4が結晶化して充電できなくなる
から、なんの変更もなくデサルフェータの対応に変更も必要ありません。


ところで、自動車評論家なんていう肩書きというのは
勝手な思い込みや伝聞で間違ったことを書いても問題無いんですかね。
サポータなる人から金銭を受領しておきながら無責任だと思うんですが
サポータの皆様は、そこらへんの責任追及してもいいんじゃないかな。とも。

誤字、脱字はヒューマンエラーなので仕方ない点もあると思うのですが
アイドリングストップをアイドルストップと記載するなど表記揺れは
根本的に「単語の意味を理解していない」問題で
(アイドリングストップとアイドルストップでは意味が異なる)
  果たして評論家を自称する人間としていかがなものか?
と苦言を呈したいレベルに思います。
そんな人の発言を信じたり、サポートするのはどうなんでしょうかね。

ことのついでに言葉狩りレベルですが、この自称評論家の日本語にも疑問。
時々「○○なのだった。」と過去形の表記を現在の事象に対しても使っています。
おそらく表現法の1つとして使っていると推測するのですが
情報伝達手段において誤った表現を意図して使うのは甚だ疑問であり不愉快です。

言葉は生き物で、古語が今でも使われないとか「さわり」の意味が大抵誤用みたいに
今を生きる人が使う言葉が変化するのは、そういうものだと理解していますが
過去の事象でもないのに過去形を使うのは明らかにダメでしょ。と。

そんなこんなを踏まえ、バッテリについて聞きかじったり単なる実体験を
嬉々として情報発信する自称自動車評論家さんは
そんな無駄なことをする暇があるならバッテリメーカに取材に行って
正しい情報を正しく公開することを望む次第です。

(誤情報の拡散がなければ、当方が時間を掛けてこの記事を作る必要もなかったんです)

-----書き忘れ-----
ハイブリッド車の補機用バッテリについて書き忘れたのですが
自称 自動車評論家さんも無知であるが故に違いもわからず言及していないのですが
これも原則として同じで、問題無く利用可能です。

あと、バッテリの基本とか劣化とはなんたるか?を知りたい場合は
(株)日立オートパーツ&サービス https://www.hitachi-autoparts.co.jp/
の製品である
 バッテリーチェッカー HCK-601FB
 https://www.hitachi-autoparts.co.jp/products/hck/hck_601fb.html

これのハンドブック
https://www.hitachi-autoparts.co.jp/products/hck/pdf/battery_hand_book_601fb_n.pdf
は一読推奨です。





なお充電制御車用バッテリを販売している
日立化成(株)
https://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/

の製品
Tuflong G3
https://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/products/cbt/car/018.html

を見ると、製品製造の努力で性能向上と劣化防止を行っているというのを
全面にちゃんと押し出している(電極枚数増加なども含め)
こういう製品を使ってデサルフェータを併用するのが
トータルで低コストになる可能性が高いです。
※5年程度で車自体を買い換えるサイクルの場合はそうでもないですが。
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